ロス・ ホスキング選手/IRONMAN® Wales
-
~111g
1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上 -
~611mL
1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h -
~1,050mg
1Lあたりのナトリウム
推奨 600-1,000mg/L -
~2.4mg
総カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
ロスの補給戦略
エネルギー補給
炭水化物はレース中に消費する主なエネルギーです。適切なエネルギー補給を怠ると、長時間のレースでパフォーマンスが低下する主な原因となります。
-
カーボ・ローディング
T – 1~4時間: 炭水化物を多く含む食事(低脂肪、低繊維)
-
事前のエネルギー補給
T – 15分: 最後の炭水化物摂取
-
1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上
~111g
エネルギー評価:8/10
「バイクでは胃の調子が悪かったわけではありませんが、『ミニボンク(mini bonk)』に見舞われた時は力を落として食べることに集中しました。ランではボンク(Bonk)※はしませんでしたが、コースが丘陵地帯だったため大腿四頭筋が痛くなりました。唯一奇妙だったのは、フィニッシュラインを越えた途端、本当に眠ってしまいそうになったことです。」
※ボンキング(Bonking)とは、運動中に体内のグリコーゲンが尽きてエネルギー切れを起こす状態を指します。サイクリング界では「ハンガーノック」とも言われています。
私たちの感想
ロスは初めてのIRONMAN®で素晴らしい栄養補給をし、炭水化物の平均摂取量は、何年もかけて腸を鍛え、非常に高い量に耐えられるようしてきたプロのアスリートたちに匹敵するほどでした。現在、炭水化物摂取量と体格の間に違いを示す具体的な証拠はありませんが、一般的に身体の大きい人の方が身体の小さい人よりも炭水化物の摂取量が多いことを示唆する傾向は見られます。これは、長時間の運動に必要なエネルギーの絶対量が高いため、より多くのエネルギー摂取の需要もわずかに高くなるためと考えられます。ロスの身長は190cm (6フィート3インチ)、体重は約84kg (185ポンド) なので、11時間身体を動かすのに必要なエネルギーは、身長が低く体重が軽い人よりも高いと考えられます。これは、彼の炭水化物の酸化が他の人と異なることを意味するものではなく、身体の大きさとは関係がないようです。しかし、彼の炭水化物の利用率はおそらく高く、つまり空腹を感じるのが早いため、満腹感を感じることなく大量に食べるのが簡単なのでしょう。
水分補給
適切な量の水分とナトリウムを補給することは、血液量を維持し、レース当日のパフォーマンスに必要な心肺機能をサポートするために不可欠です。
1 時間あたりに消費されるナトリウムと水分の絶対量も重要ですが、これらを相互に関連させて考慮することが重要です。これは「相対ナトリウム濃度」として知られており、ミリグラム/リットル (mg/L) で表されます。 1時間あたりに摂取するナトリウムの絶対量よりも、水分1リットルあたりに摂取するナトリウムの量の方が重要です。

ロスは水分補給計画を立てるために発汗テスト(スウェットテスト)を受けました
汗中のナトリウム濃度(mg/L)は個々の不変的な体質として決定され、比較的安定しています。自分の汗の塩分濃度を知ることで、汗で失われるナトリウムの大部分を補うことができます。失われるナトリウムの量は200~2,000mg/Lです。
ロスの水分損失は少ない方ですが、最高のパフォーマンスを発揮したいのであれば、水分補給戦略を正しく行うことが依然として重要です。
-
あらかじめ組み込まれた電解質
T – 60分: ~500mLの強電解質飲料を飲む
-
1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h
~611mL
-
1Lあたりのナトリウム
推奨 600-1,000mg/L
~1,050mg
水分補給評価:8/10
「Walesでのレースの前に発汗量のテストをしました。いつもかなり汗をかくと思っていたからです。かなり寒かったので水を飲みすぎたのかもしれません。だから、それほど汗をかいてはいなかったと思います。」
私たちの感想
IRONMAN®では、プロレベルのレースでない限り、一日を通しての強度は比較的低くなります。ロスがどれだけ汗をかくかに影響を及ぼす2つの主な変数は、1)運動の強度と、2)環境条件です。Walesでのレース当日の気温は比較的低く、ロスが行った発汗率テストはターボトレーナーで70.3®程度の強度で行ったものだけだったので、発汗反応ははるかに高かったはずです。レースに特化した発汗率テストをいくつか行うことで、ロスは失う水分量を調整し、レース中の水分の過剰摂取を避けることができるでしょう。
カフェイン
カフェインは、パフォーマンスの3つの要素(炭水化物、ナトリウム、水分)に加えて、精神的および肉体的な疲労を防ぐのに役立つため、ほとんどの持久系アスリートのパフォーマンスを向上させることが証明されている数少ない物質のひとつです。
-
事前のカフェイン摂取をしなかった
レース開始の数時間前にカフェインを摂取すると、エネルギーレベルが上昇したと感じられるかもしれません。
-
カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
~2.4mg
私たちの感想
ロスの栄養プランのこの部分は、彼が望めばパフォーマンス上の「無償の」メリットをさらに得る最も簡単な機会を提供します。一般的なカフェイン戦略は、レースの序盤では一切カフェインを控え、終盤に本当に厳しくなり始めたら、カフェイン入りのジェルやコーラに手を伸ばすというものです。他の人は、ドロップフィードアプローチを好みます。これは、中程度から高度の血中カフェインレベルをレース全体を通して維持するために、少量を頻繁に摂取するものです。すべての人に当てはまる戦略はありませんが、文献で認められていることのひとつは、パフォーマンスを顕著に向上させるために必要な最小有効量は、体重1kgあたり約3mgであるということです。バイクでの栄養補給にカフェインジェルを1つか2つ追加することで、ロスは簡単にこの量に到達し、それに伴うエルゴジェニック効果※を享受して、パフォーマンスを最適にサポートすることができます。
※エルゴジェニック効果とは、サプリメントや特定の食品、マッサージ、メンタルトレーニングなどによって通常時の状態を超えるパフォーマンスを引き出す効果のことです。食品業界においてはそのような効果または効果を持つサプリメントを「エルゴジェニックエイド」とも呼びます。
ロスの数値達成方法
ロスがその日に食べたり飲んだりしたもののすべてです…
-
レース前(30分以上)
- PH1500(ドリンクミックス)、マルトデキストリン28g、フルクトースパウダー22g × 500mL
- ジャムサンドイッチ × 3個
-
レース前(30分未満)
- PF30チュー × 1個
-
バイク
- エナジードリンクミックス(炭水化物370g) × 3L、PH1000(タブレット) × 6個
- PH1000(タブレット) × 750mL
- PF30チュー × 2個
- 普通の水 × 1L
- エナジージェル(炭水化物25g) × 2個
- エナジーバー(炭水化物44g) × 1.5本
- エナジージェル(炭水化物40g) × 5個
-
ラン
- PH1000(タブレット)× 720mL
- 普通の水 × 240mL
- エナジードリンクミックス(炭水化物100g、ナトリウム339mg) × 1L
- エナジージェル(炭水化物22g) × 1個
- エナジージェル(炭水化物40g) × 2個
- ジェリーベイビー × 24個
- レディソルトチップス(炭水化物28g) × 1袋
- ミニチェダーチーズ × 2袋
- エナジージェル(炭水化物40g、カフェイン200mg) × 1個
選んだ商品
PRECISIONの総合評価
満足度評価:8/10
▼ロス
「私の目標はとにかく完走することで、できればかなり速く走りたかったし、それは達成できました。タイムは良かったです。4時間を切りたかったけど、脚がとても疲れていたんです。」
▼スタッフ
「ロスは初めてのIRONMAN®を栄養面で大きな問題もなく完走しました!これは決して侮れないことです。相対的なナトリウム摂取量とカフェイン摂取量を少し調整するだけで、ロスは自分の戦略がエネルギー補給と水分補給のニーズをすべて満たしていると確信できるでしょう。」
完全な統計
全体
-
炭水化物量 1,224g
1時間あたり111g -
総水分量 6,710mL
1時間あたり611mL -
総ナトリウム量 7,047mg
1時間あたり641mg -
1,050mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量200mg
1kgあたり2.4mg
バイクとラン
-
炭水化物量 1,194g
1時間あたり121g -
総液体量 6,710mL
1時間あたり679mL -
総ナトリウム量 7,047mg
1時間あたり713mg -
1,050mg
ナトリウム/リットル -
カフェイン総量200mg
1kgあたり2.41mg
バイク
-
炭水化物量 767g
1時間あたり135g -
総液体量 4,750mL
1時間あたり835mL -
総ナトリウム量 4,884mg
1時間あたり859mg -
1,028mg
ナトリウム/リットル
ラン
-
炭水化物量 426g
1時間あたり102g -
総液体量 1,960mL
1時間あたり467mL -
総ナトリウム量 2,163mg
1時間あたり515mg -
1,104mg
ナトリウム/リットル -
カフェイン総量200mg
1kgあたり2.41mg
データの信頼性
精度のレベルとデータの信頼性に基づいて、各ケーススタディを1~5で評価します。
収集されたデータと報告された数値には十分なレベルの正確さがあります。アスリートは、ほとんどの詳細情報(ブランド、フレーバー、数量、妥当な量の推定)を含め、食べたり飲んだりしたものを思い出すことができます。ただし、データ内で行われた推定は、報告されたデータの全体的な信頼度に影響します。
※本記事は英語の記事を翻訳したものです。原文を読む
Precision Fuel & Hydration とその従業員および代表者は医療専門家ではなく、いかなる種類の医師免許や資格も保有しておらず、医療行為も行っていません。 Precision Fuel & Hydration が提供する情報およびアドバイスは、医学的なアドバイスではありません。 Precision Fuel & Hydration が提供するアドバイスや情報に関して医学的な質問がある場合は、医師または他の医療専門家に相談する必要があります。当記事の内容については公平かつ正確を期していますが、利用の結果生じたトラブルに関する責任は負いかねますのでご了承ください。