レベッカ・クラーク選手/IRONMAN®世界選手権
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~65g
1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上 -
~580mL
1時間あたりの水分量
推奨 250-750mL/h -
~723mg
1Lあたりのナトリウム
推奨 400-800mg/L -
~6.9mg
総カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
レベッカの補給戦略
エネルギー補給
炭水化物はレース中に消費する主なエネルギーです。適切なエネルギー補給を怠ると、長時間のレースでパフォーマンスが低下する主な原因となります。
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カーボ・ローディング
T – 1~4時間: 炭水化物を多く含む食事(低脂肪、低繊維)
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事前のエネルギー補給
T – 15分: 最後の炭水化物摂取
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1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上
~65g
エネルギー評価:5/10
「残念ながら、エナジーボトルからジェルミックスを取り出すのに苦戦したので、エネルギーが足りなかったことは確かです。今思えば、エイドステーションでもっとエネルギーを補給すべきでした。スタート時に十分な量を摂取せず、最後に詰め込もうとしたため、バイク区間中にエネルギーレベルが確実に低下しました。」
私たちの感想
ベックスはスポーツサイエンティストのタッシュとかなりの時間をかけて計画について話し合い、今年最大のレースに向けて計画が完璧に整っていることを確認しました。当日の朝、彼女はいつものように炭水化物の豊富な朝食をとり、スタート前の最後の30分間にPF30チューとPF30ジェルでグルコース値を補充しました。困ったことに、ベックスはバイク区間中にエナジーボトルからジェルを取り出すのに苦戦し、予定していた約300gのうち3分の2しか飲めませんでした。コース上でエナジージェルを補給した後でも、彼女は目標の炭水化物摂取量90g/hを下回り、約70g/hしか摂取していませんでした。ありがたいことに、ベックスはバイクに追加のエナジーボトルを持っていて、 PF炭水化物のみのドリンクミックスとPF炭水化物と電解質のドリンクミックスの組み合わせを入れていましたが、T2に到着するまでにそれをすべて飲み切ることはできませんでした。炭水化物の摂取量が理想より少なかったため、彼女のエネルギーレベルは急激に低下し、ランで継続的にエネルギーを補給しても、ボンキング(Bonking)※を防ぐことができませんでした。今後、ジェルがボトルに詰まるというロジスティクスの問題を回避するには、まさにこの目的のために設計されたフロージェルを代わりに使用してみるのもいいでしょう!
※ボンキング(Bonking)とは、運動中に体内のグリコーゲンが尽きてエネルギー切れを起こす状態を指します。サイクリング界では「ハンガーノック」とも言われています。
水分補給
適切な量の水分とナトリウムを補給することは、血液量を維持し、レース当日のパフォーマンスに必要な心肺機能をサポートするために不可欠です。
1 時間あたりに消費されるナトリウムと水分の絶対量も重要ですが、これらを相互に関連させて考慮することが重要です。これは「相対ナトリウム濃度」として知られており、ミリグラム/リットル (mg/L) で表されます。 1時間あたりに摂取するナトリウムの絶対量よりも、水分1リットルあたりに摂取するナトリウムの量の方が重要です。
レベッカは水分補給計画を立てるために発汗テスト(スウェットテスト)を受けました
汗中のナトリウム濃度(mg/L)は個々の不変的な体質として決定され、比較的安定しています。自分の汗の塩分濃度を知ることで、汗で失われるナトリウムの大部分を補うことができます。失われるナトリウムの量は200~2,000mg/Lです。
レベッカの水分損失量は少ない方ではありますが、彼女が最高のパフォーマンスを発揮するには、水分補給戦略を正しく行うことが依然として重要です。
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事前の電解質補給をしなかった
レース前に強力な電解質飲料を飲んでいれば、最適な水分補給の状態でスタートできたかもしれません。
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1時間あたりの水分量
推奨 250-750mL/h
~580mL
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1Lあたりのナトリウム
推奨 400-800mg/L
~723mg
水分補給評価:9/10
「水分補給はとてもいい感じだったし、暑いレースではなかったので、上手くコントロールできたと思います。コース上のウォーターボトルはプラスチック製で、ボトルケージに入らなかったので、それが少し厄介でした。」
私たちの感想
ベックスは汗中のナトリウム濃度が低いため、塩分の多い他の選手と比べてレース中のナトリウム摂取量を若干抑えることができます。幸運にもニースの気候は比較的温暖だったため、彼女の発汗量と総損失量はオーストラリアで慣れている量よりも低く、管理しやすかったです。ベックスは、バイクではボトル、ランではエイドステーションのカップで、PF炭水化物&電解質ドリンクミックスを少しとPH1000を主に使って汗によるナトリウム損失量を抑えました。また、両レグとも水とコーラを摂取量に取り入れ、個々の損失量に合わせてナトリウム濃度をわずかに薄め、味に変化を付けて味覚疲労を防いでいました。
カフェイン
カフェインは、パフォーマンスの3つの要素(炭水化物、ナトリウム、水分)に加えて、精神的および肉体的な疲労を防ぐのに役立つため、ほとんどの持久系アスリートのパフォーマンスを向上させることが証明されている数少ない物質のひとつです。
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事前のカフェイン摂取をしなかった
レース開始の数時間前にカフェインを摂取すると、エネルギーレベルが上昇したと感じられるかもしれません。
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カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
~6.9mg
私たちの感想
ベックスは運動中にカフェインを摂取する際、推奨ガイドラインより少し上回る量を摂取することが多いです。これは彼女のカフェイン耐性の高さに合っており、悪影響も出ないことが分かったからです。朝のコーヒーを飲んだ後、彼女はPF30カフェインジェルを3個摂取する予定でしたが、バイクのエナジーボトルに詰まってしまい、ほんの少ししか摂取できませんでした。ランではさらにPF30カフェインジェルを2個半とコーラを数杯飲んで、カフェイン摂取量を増やしました。レース中に炭水化物の目標量に達しなかったとはいえ、カフェインは彼女が感じていた疲労感をいくらか紛らわし、非常に安定したマラソンタイムでゴールラインを越えるまで走り続けるのに役立ったと思われます。
レベッカの数値達成方法
レベッカがその日に食べたり飲んだりしたもののすべてです…
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レース前(30分以上)
- PH1000(タブレット)× 500mL
- ピーナッツバタートースト x 3枚
- バナナ x 1本
- ブラックコーヒー x 1杯
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レース前(30分未満)
- PH1000(タブレット)× 400mL
- PF30ジェル x 1個
- PF30チュー x 1個
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バイク
- PH1000(タブレット)× 2.5L
- PH炭水化物&電解質ドリンクミックス × 275mL
- PH炭水化物のみのドリンクミックス × 425mL
- PF30ジェル × 0.6
- PF30カフェインジェル × 1.8
- PF90ジェル × 1.2
- PF30チュー × 3個
- 普通の水 × 750mL
- エナジージェル(炭水化物25g) × 1個
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ラン
- PH1000(タブレット)× 870mL
- PF30カフェインジェル × 2.5
- PF30ジェル × 3個
- 普通の水 × 360mL
- コーラ × 180mL
選んだ商品
PRECISIONの総合評価
満足度評価:7/10
▼レベッカ
「全体的には22位でフィニッシュできたので満足していますが、エネルギー補給をもっと良くし、他の戦術的なミスを避ければ、もっと上位でフィニッシュできると思います。物事がうまくいかない時でも、最後まで頑張り続けたことを誇りに思います。」
▼スタッフ
「厳しいコースと、ベックスがバイクにエナジーボトルを取り付けた際のトラブルにもかかわらず、彼女はIRONMAN®世界選手権でトップ25に入るという素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。水分補給とカフェイン摂取は完璧で、バイクのセットアップとエネルギー補給のロジスティクスにいくつかの修正を加えることで、今後のレースで炭水化物の目標を達成し、より高いエネルギーレベルを維持できるようになることを期待しています。」
完全な統計
全体
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炭水化物量 646g
1時間あたり65g -
総水分量 5,761mL
1時間あたり580mL -
総ナトリウム量 4,165mg
1時間あたり419mg -
723mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量447mg
1kgあたり6.9mg
バイクとラン
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炭水化物量 584g
1時間あたり65g -
総液体量 5,361mL
1時間あたり594mL -
総ナトリウム量 3,765mg
1時間あたり417mg -
702mg
ナトリウム/リットル -
カフェイン総量447mg
1kgあたり6.88mg
バイク
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炭水化物量 396g
1時間あたり70g -
総液体量 3,951mL
1時間あたり695mL -
総ナトリウム量 2,895mg
1時間あたり509mg -
733mg
ナトリウム/リットル -
カフェイン総量180mg
1kgあたり2.77mg
ラン
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炭水化物量 188g
1時間あたり56g -
総液体量 1,410mL
1時間あたり422mL -
総ナトリウム量 870mg
1時間あたり261mg -
617mg
ナトリウム/リットル -
カフェイン総量267mg
1kgあたり4.11mg
データの信頼性
精度のレベルとデータの信頼性に基づいて、各ケーススタディを1~5で評価します。
報告されたデータの正確さには十分な信頼性があります。アスリートは、ある程度の誤差がある可能性のある推定値をいくつか含んでいるにもかかわらず、数値が摂取量をほぼ反映していると感じています。摂取量の大部分は、とても詳細に記録されています(ほとんどの量は、ボトル、ブランド、数量、フレーバーの使用により判明しています)。数値は非常に妥当であり、以前のデータ記録と一致しています(アスリートが以前にデータを収集している場合)。
※本記事は英語の記事を翻訳したものです。原文を読む
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