レオン・シュヴァリエ選手/チャレンジ・ロス
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~110g
1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上 -
~760mL
1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h -
~855mg
1Lあたりのナトリウム
推奨 1,100-1,500mg/L -
~4.7mg
総カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg

レオンの補給戦略
エネルギー補給
炭水化物はレース中に消費する主なエネルギーです。適切なエネルギー補給を怠ると、長時間のレースでパフォーマンスが低下する主な原因となります。
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カーボ・ローディング
T – 1~4時間: 炭水化物を多く含む食事(低脂肪、低繊維)
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事前のエネルギー補給
T – 15分: 最後の炭水化物摂取
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1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上
~110g
エネルギー評価:4/10
「エネルギーレベルはランの後半までとても良かったんです。でも、後半は何もかもがうまくいかなくなってしまったんです。個人的な欲求が満たされなくてイライラして、ボンキング寸前まで行き、吐いてしまうんじゃないかと思ったこともありました。」
※ボンキング(Bonking)とは、運動中に体内のグリコーゲンが尽きてエネルギー切れを起こす状態を指します。サイクリング界では「ハンガーノック」とも言われています。
私たちの感想
レオンの試行錯誤されたエネルギー戦略はレース序盤でうまく機能し、バイク中の平均炭水化物摂取量は1時間あたり約132gと、これまでで最高値のひとつとなりました。ラン中の彼の通常のプランは、トライスーツにPF30ジェルをすべて入れて持ち運び、15~20分ごとに1つ摂ることです。しかし、ロスでは、プロはコースの途中でサポートチームのメンバーから援助を受けるオプションがあります。残念ながら、PRECISION Fuel & Hydration(プレシジョン)のチームメイトであるジョシュ・ルイスと同様、レオンのクルーのメンバーも約16km(10マイル)の集合場所に時間内に到着できず、コース上のジェルに頼らざるを得ませんでしたが、レオンはそれが自分の味覚や胃に合わないと感じていました。その結果、彼はエネルギーレベルの低下、吐き気の兆候に気づき、嘔吐しそうになってしまいました。いつもの自給自足戦略に戻ればこの問題は避けられるのでしょうが、特に約2分40秒のマラソンペースで走る場合、約10個のPF30ジェルをクルーに持たせれば、わずかな重量軽減効果が得られるので、これは価値のある実験でした。
水分補給
適切な量の水分とナトリウムを補給することは、血液量を維持し、レース当日のパフォーマンスに必要な心肺機能をサポートするために不可欠です。
1時間あたりに消費されるナトリウムと水分の絶対量も重要ですが、これらを相互に関連させて考慮することが重要です。これは「相対ナトリウム濃度」として知られており、ミリグラム/リットル (mg/L) で表されます。 1時間あたりに摂取するナトリウムの絶対量よりも、水分1リットルあたりに摂取するナトリウムの量の方が重要です。

レオンは水分補給計画を立てるために発汗テスト(スウェットテスト)を受けました
汗中のナトリウム濃度(mg/L)は個々の不変的な体質として決定され、比較的安定しています。自分の汗の塩分濃度を知ることで、汗で失われるナトリウムの大部分を補うことができます。失われるナトリウムの量は200~2,000mg/Lです。
レオンの水分喪失量が非常に多いこと(1,392mg/L)を考えると、たとえ軽度であっても、水分補給戦略をしっかり行うことが依然として重要です。
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事前の電解質補給をしなかった
レース前に強力な電解質飲料を飲んでいれば、最適な水分補給の状態でスタートできたかもしれません。
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1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h
~760mL
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1Lあたりのナトリウム
推奨 1,100-1,500mg/L
~855mg
水分補給評価:8/10
「バイクを降りた時にかなり喉が渇いていたので、最初の数か所のエイドステーションで水分をたっぷり摂ることを優先しました。レース中はエネルギーレベルと胃腸の不快感が気になっていましたが、水分補給は全然悪くなかったと思います。」
私たちの感想
レオンはレース前の朝、大量の水を少しずつ飲んでいたので、それらのボトルにPH1500を少し入れておけば、今後は最適な水分補給状態でスタートラインに立つことができるでしょう。彼はバイク中にボトル内のかなり高濃度の炭水化物と電解質に耐えられることを何度も証明しており、このレースも例外ではありませんでした。彼はスタートから3本のボトルを携行し、各ボトルにはPH1500(ドリンクミックス)から1,500mgのナトリウム、ジェルから150gの炭水化物、電解質パックから約15gが入っていました。これによって再び胃腸の問題は発生しませんでしたが、ラン中の平均相対ナトリウム濃度1,307mg/L(mg/32oz)からわずか約179mg/L(mg/32oz)に低下し、エネルギーレベルと胃の快適さも急降下しました。レオンは、これは普段口にしないジェルを摂取したことが原因かもしれないと示唆しましたが、ナトリウム濃度の急激な低下も一因となった可能性があります。ナトリウムは血液中のグルコースの吸収と輸送を助けることが知られており、 T2を出た後に電解質カプセルを摂取することで、ラン中のナトリウム濃度を安定させ、消化器系の不快感を軽減できる可能性があります。
カフェイン
カフェインは、パフォーマンスの3つの要素(炭水化物、ナトリウム、水分)に加えて、精神的および肉体的な疲労を防ぐのに役立つため、ほとんどの持久系アスリートのパフォーマンスを向上させることが証明されている数少ない物質のひとつです。
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事前のカフェイン摂取をしなかった
レース開始の数時間前にカフェインを摂取すると、エネルギーレベルが上昇したと感じられるかもしれません。
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カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
~4.7mg
私たちの感想
レオンのカフェイン摂取量は、過去数回のフルディスタンスレースをわずかに下回るものでした。これは、いつものPF30カフェインジェルをラン中に摂取して血中濃度を補充しようと計画していましたが、それができなかったからです。それでも、この距離と強度のレースにおける科学的に推奨されるガイドラインを十分に下回っていましたが、ハワイで開催されるIRONMAN®世界選手権などの今後のフルディスタンスレースでは摂取量を増やすことになるでしょう。
レオンの数値達成方法
レオンがその日に食べたり飲んだりしたもののすべてです…
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レース前(30分以上)
- PF90ジェル × 1個
- 普通の水 × 800mL
- 紅茶 × マグカップ1杯
- クロワッサン × 1個
- バターとヌテラを塗ったトースト × 1枚
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レース前(30分未満)
- PF30カフェインジェル × 1個
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バイク
- PH1500(ドリンクミックス)× 2.5L
- PF30ジェル × 4個
- PF30カフェインジェル × 2個
- PF90ジェル × 3個
- 普通の水 × 930mL
- ケトンショット × 1回
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ラン
- PF30ジェル × 4個
- PF90ジェル × 1個
- 普通の水 × 2.27L
- エナジージェル(炭水化物26g)× 2個
- コーラ × 30mL
- カフェイン入りエナジードリンク × 30mL
選んだ商品
PRECISIONの総合評価
満足度評価:3/10
▼レオン
「全体的にはかなり不満の残るレースでした。プランは良かったのですが、特にランでそれをうまく実行できませんでした。おそらく自分の計画不足が原因だと思うし、残念ながら多くのことをやり遂げられなかったと感じています。」
▼スタッフ
「レオンがロスで5位に入ったことは、この距離のフランス国内記録の樹立で、競技のレベルが非常に高かったことを示しています。トライアスロンのロジスティクスは複雑で、クルーがいるとさらに困難が増すことがあります。レオン自身もそのことを痛感し、自身のパフォーマンスに満足していないと感じています。今後は、自給自足のランに戻し、ラン中のナトリウム摂取量をバイクの数値に近づけることを検討すべきでしょう。」
完全な統計
全体
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炭水化物量 838g
1時間あたり110g -
総水分量 5,820mL
1時間あたり760mL -
総ナトリウム量 4,978mg
1時間あたり650mg -
855mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量312mg
1kgあたり4.7mg
バイクとラン
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炭水化物量 808g
1時間あたり119g -
総水分量 5,820mL
1時間あたり857mL -
総ナトリウム量 4,978mg
1時間あたり733mg -
855mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量212mg
1kgあたり3.17mg
バイク
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炭水化物量 540g
1時間あたり132g -
総水分量 3,490mL
1時間あたり851mL -
総ナトリウム量 4,560mg
1時間あたり1,112mg -
1,307mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量200mg
1kgあたり2.99mg
ラン
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炭水化物量 268g
1時間あたり100g -
総水分量 2,330mL
1時間あたり865mL -
総ナトリウム量 418mg
1時間あたり155mg -
179mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量12mg
1kgあたり0.18mg
データの信頼性
精度のレベルとデータの信頼性に基づいて、各ケーススタディを1~5で評価します。
収集されたデータと報告された数値には十分なレベルの正確さがあります。アスリートは、ほとんどの詳細情報(ブランド、フレーバー、数量の妥当な推定値)を含め、食べたり飲んだりしたものを記憶しています。ただし、データ内で行われた推定は、報告されたデータの全体的な信頼度に影響します。
※本記事は英語の記事を翻訳したものです。原文を読む
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