ローラ・シダル選手/Patagonman
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~71g
1時間あたりの炭水化物量
推奨 90g/h以上 -
~658mL
1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h -
~336mg
1Lあたりのナトリウム
推奨 400-800mg/L -
~11.0mg
総カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
画像出典:@patagonmamxtri
ローラの補給戦略
エネルギー補給
炭水化物はレース中に消費する主なエネルギーです。適切なエネルギー補給を怠ると、長時間のレースでパフォーマンスが低下する主な原因となります。
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カーボ・ローディング
T – 1~4時間: 炭水化物を多く含む食事(低脂肪、低繊維)
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事前のエネルギー補給
T – 15分: 最後の炭水化物摂取
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1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上
~71g
エネルギー評価:7/10
「このタイプのレースはペースがかなり安定しているので、エネルギー的にはそれほど悪くありませんでした。ただ、その日はバイクの脚力が足りず、超タフなトレイルランで多少のアップダウンがありました。」
私たちの感想
ローラの炭水化物摂取量は、最近のフルディスタンスレースでは1時間あたり90g以上という素晴らしい数値を記録していましたが、それよりも低い数値でした。今回は、ソフトフラスクのバルブのトラブルにより、ローラはいつもの15~20分ごとのエネルギー補給の目標を達成することができず、ジェルの摂取量にも影響が出ていました。また、サイクルコンピューターにもトラブルがあり、時間や通常のエネルギー補給間隔のアラートが表示されませんでした。さらに、厳しい地形に加え、寒くて風が強いというこの過酷なレースの性質上、エネルギーにアクセスしたりボトルから飲んだりできるタイミングにも影響が出ました。これらの問題により、彼女の炭水化物摂取量は理想を下回り、ランの中盤でのエネルギーが低下の原因となったことは間違ありません。
水分補給
適切な量の水分とナトリウムを補給することは、血液量を維持し、レース当日のパフォーマンスに必要な心肺機能をサポートするために不可欠です。
1時間あたりに消費されるナトリウムと水分の絶対量も重要ですが、これらを相互に関連させて考慮することが重要です。これは「相対ナトリウム濃度」として知られており、ミリグラム/リットル (mg/L) で表されます。 1時間あたりに摂取するナトリウムの絶対量よりも、水分1リットルあたりに摂取するナトリウムの量の方が重要です。

ローラは水分補給計画を立てるために発汗テスト(スウェットテスト)を受けました
汗中のナトリウム濃度(mg/L)は個々の不変的な体質として決定され、比較的安定しています。自分の汗の塩分濃度を知ることで、汗で失われるナトリウムの大部分を補うことができます。失われるナトリウムの量は200~2,000mg/Lです。
ローラの水分喪失量は少ない方ですが、最高のパフォーマンスを発揮したいのであれば、水分補給戦略を正しく行うことは依然として重要です。
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あらかじめ組み込まれた電解質
T – 60分: ~500mLの強電解質飲料を飲む
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1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h
~658mL
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1Lあたりのナトリウム
推奨 400-800mg/L
~336mg
水分補給評価:8/10
「戦略は良かったと思うけど、バイクでトイレに行きたくなったり、レース中の気の散り具合で完璧には実行できませんでした。ランニング中にもっと水分を摂っておけばよかったと思います。」
私たちの感想
パタゴニアの寒さは、ローラが普段トレーニングやレースを行っている環境とは全く対照的で、前回のコナで開催されたIM世界選手権でのレースとは正反対でした。ローラは、これまでフルディスタンスのレースで1時間あたり1L以上を摂取してきたアスリートであることを考慮して、水分摂取計画を立てるためにより涼しい条件での発汗量のデータ収集を行いました。そのため、ローラの水分摂取量は、汗による喪失の減少に合わせるため、ハワイの暑さと湿度に比べてかなり少ない(1時間あたり約300ml少ない)摂取量となりました。ローラはレース中、頻繁トイレに行きたがっていましたが、これは彼女が普段経験しない感覚です。運動をすると尿意が減ることが多いですが、この長さのレースでは1、2回トイレに行くのは珍しくありません。しかし、頻繁な排尿は水分過剰の兆候である可能性があります。ただし、この状況では、冷水利尿と呼ばれる現象が作用している可能性があります。身体が冷水にさらされると、末端の血管収縮などの生理的反応が最終的に利尿(排尿)につながります。ローラは気温の低下を考慮して水分摂取量を減らしましたが、同時にナトリウム摂取量も最小限に抑え、バイクでの水分摂取の大部分は水かPH1500に薄めたミネラルウォーターでした。ナトリウムは水分保持に良い影響を与えるため、ローラは汗に含まれるナトリウム濃度の半分しか摂取しなかったことで飲み物に含まれるナトリウム濃度を相対的に高めることができました。
カフェイン
カフェインは、パフォーマンスの3つの要素(炭水化物、ナトリウム、水分)に加えて、精神的および肉体的な疲労を防ぐのに役立つため、ほとんどの持久系アスリートのパフォーマンスを向上させることが証明されている数少ない物質のひとつです。
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事前のカフェイン摂取をしなかった
試合開始の数時間前にカフェインを摂取すると、エネルギーレベルが上昇したと感じられるかもしれません。
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カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
~11.0mg
私たちの感想
ローラはカフェイン耐性が高く、過去には推奨摂取量の2倍以上を摂取した経験がありますが、副作用はありませんでした。科学文献では6mg/kgを超える摂取による追加的な効果は示されていませんが、ローラはレース中にエネルギーレベルを高めるために、この量を摂取することに慣れています。
ローラの数値達成方法
ローラがその日に食べたり飲んだりしたもののすべてです…
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レース前(30分以上)
- PH1500(タブレット)× 500mL
- 普通の水 × 600mL
- ヌテラを塗った白パンロール × 1個
- バナナ × 0.5本
- エナジーバー(炭水化物22g)× 0.5本
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レース前(30分未満)
- PF30ジェル × 1個
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バイク
- PH1500(タブレット)× 1.3L
- PF30ジェル × 11.5個
- PF30カフェインジェル × 2.5個
- 普通の水 × 2.45L
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ラン
- PH1000(タブレット)× 1.2L
- PF30ジェル × 4個
- PF30カフェインジェル × 4個
- 普通の水 × 1.5L
- コーラ × 100mL
- カフェイン入りエナジードリンク × 30mL
選んだ商品
PRECISIONの総合評価
満足度評価:8/10
▼ローラ
「今回のレースでは、特にバイクでもっと炭水化物を摂取するようにエネルギー補給と水分補給をもっと計画的に行いたかったです。レース構成が厳しく、普段ならこの距離では感じないような尿意など、気が散ることが多かったことが水分補給戦略に大きな影響を与えました。」
▼スタッフ
「ローラは栄養士であり、4th Disciplineの創始者であるクレア・ファッジの助けを借りて、これまで経験した長距離レースとは全く異なるこのレースに万全の準備を整えました。その準備の大部分は、はるかに寒いコンディションへの備えでしたが、ローラは発汗量のデータ収集を完璧に行うことで、この準備をうまく進めました。同様に過酷なレースでは、ローラは炭水化物の目標摂取量を確実に達成し、水分摂取量の変化に合わせてナトリウム濃度を調整するために、より積極的なエネルギー補給と水分補給戦略を実行する必要があるかもしれません。」
完全な統計
全体
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炭水化物量 711g
1時間あたり71g -
総水分量 6,580mL
1時間あたり658mL -
総ナトリウム量 2,212mg
1時間あたり221mg -
336mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量669mg
1kgあたり11.0mg
バイクとラン
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炭水化物量 681g
1時間あたり72g -
総水分量 6,580mL
1時間あたり699mL -
総ナトリウム量 2,212mg
1時間あたり235mg -
336mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量669mg
1kgあたり10.97mg
バイク
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炭水化物量 423g
1時間あたり74g -
総水分量 3,750mL
1時間あたり660mL -
総ナトリウム量 1,200mg
1時間あたり211mg -
320mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量250mg
1kgあたり4.1mg
ラン
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炭水化物量 258g
1時間あたり69g -
総水分量 2,830mL
1時間あたり759mL -
総ナトリウム量 1,012mg
1時間あたり271mg -
357mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量419mg
1kgあたり6.87mg
データの信頼性
精度のレベルとデータの信頼性に基づいて、各ケーススタディを1~5で評価します。
収集されたデータと報告された数値には十分なレベルの正確さがあります。アスリートは、ほとんどの詳細情報(ブランド、フレーバー、数量の妥当な推定値)を含め、食べたり飲んだりしたものを記憶しています。ただし、データ内で行われた推定は、報告されたデータの全体的な信頼度に影響します。
※本記事は英語の記事を翻訳したものです。原文を読む
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