ジェマ・ヒリアー・モーゼス選手/OCC by UTMB
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~87g
1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上 -
~892mL
1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h -
~234mg
1Lあたりのナトリウム
推奨 800-1,200mg/L -
~6.7mg
総カフェイン
推奨 3-6mg/kg
画像出典:George Beck
ジェマの補給戦略
エネルギー補給
炭水化物はレース中に消費する主なエネルギーです。適切なエネルギー補給を怠ると、長時間のレースでパフォーマンスが低下する主な原因となります。
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カーボ・ローディング
T – 1~4時間: 炭水化物を多く含む食事(低脂肪、低繊維)
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事前のエネルギー補給
T – 15分: 最後の炭水化物摂取
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1時間あたりの炭水化物
推奨 90g/h以上
~87g
エネルギー評価:8/10
「エネルギーレベルはすごく良かったし、トレーニング中に炭水化物と飲み物を積極的に摂る練習をしておいて本当に良かったと思っています。暑さで少し大変でしたが、全体的なフィーリングにはとても満足しています。最後の上りで一番苦戦したのは、脚に力が入らなかったから。でも、今までで一番長い距離を走ったし、一番標高差も高かったので、その点を考えると最高の気分でした。」
私たちの感想
ジェマのスポーツ栄養学への関心は、 OCCでのレースに臨むにあたって彼女が立てた体系的なエネルギー補給プランに表れていました。彼女は目標の炭水化物摂取量を効果的に達成しやすいよう、摂取量を1時間ごとに細分化し、ジェル、PF30チュー、PF炭水化物のみのドリンクミックスを組み合わせて、科学的な推奨量ギリギリの量を摂取しました。消化器系の不快感もなく、ジェマはレースの準備段階での腸のトレーニングが、一貫して栄養を補給してエネルギーレベルを高く保つ上で重要であることを実証しました。レース終盤の高温により、ジェマは最後のジェルをなかなか飲みきることができませんでしたが、最後の上りで彼女が経験した疲労は、一般的な神経筋疲労によるものだった可能性が高いです。今後、彼女がこの最後のジェルを消費したり、ここでしたようにコーラを摂取したりできれば、余分なエネルギーが力強くゴールへと導いてくれるでしょう。
水分補給
適切な量の水分とナトリウムを補給することは、血液量を維持し、レース当日のパフォーマンスに必要な心肺機能をサポートするために不可欠です。
1時間あたりに消費されるナトリウムと水分の絶対量も重要ですが、これらを相互に関連させて考慮することが重要です。これは「相対ナトリウム濃度」として知られており、ミリグラム/リットル (mg/L) で表されます。 1時間あたりに摂取するナトリウムの絶対量よりも、水分1リットルあたりに摂取するナトリウムの量の方が重要です。
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事前の電解質補給をしなかった
レース前に強力な電解質飲料を飲んでいれば、最適な水分補給の状態でスタートできたかもしれません。
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1時間あたりの水分量
推奨 500-1,000mL/h
~892mL
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1Lあたりのナトリウム
推奨 800-1,200mg/L
~234mg
水分補給評価:9/10
「水分補給戦略には本当に満足しています。この量の水分で胃は大丈夫だと感じたし、エイドステーションでは必ず身体を濡らし、頭を浸したり、ルート沿いの滝も利用してコンディションに対応するようにしました。」
私たちの感想
ジェマはレース終盤に向けて気温が急上昇する可能性が高いことを知っていたので、それに応じて水分摂取量を計画し、ソフトフラスクの炭水化物のみのドリンクミックスに加えて、1時間ごとに約500mlの普通の水を飲むことを目標にしました。レース中、このように継続的に水分を摂取することで、汗で失われた水分の大部分を補い、痙攣を和らげることができたと考えられます。しかし、ジェマのナトリウム摂取量は理想的とはいえず、レース中に摂取したたった2つの電解質カプセルでは、汗で失われたナトリウムを補給するには不十分だったでしょう。ジェマは、発汗テスト(スウェットテスト)を受けるか、アスリートの平均値(約950mg/L)に近い、より適度な相対ナトリウム濃度を目指すことで、レース中に水分とナトリウムの両方の観点から適切な水分補給を維持できるようにこれをもう少し調整することができます。実際には、 PH1000を少し追加するか、PF炭水化物と電解質のドリンクミックスに切り替えることでこれを助け、低ナトリウム血症のリスクを減らすことができます。ジェマは、コース沿いの小川や滝に頭と体を「浸す」という賢明な方法をとりました。これは、体温をできるだけ最適にコントロールするための効果的な冷却戦略です。
カフェイン
カフェインは、パフォーマンスの3つの要素(炭水化物、ナトリウム、水分)に加えて、精神的および肉体的な疲労を防ぐのに役立つため、ほとんどの持久系アスリートのパフォーマンスを向上させることが証明されている数少ない成分のひとつです。
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カフェイン入り
T – 0-4時間: 最後にカフェインを摂取
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カフェイン(1kgあたり)
推奨 3-6mg/kg
~6.7mg
私たちの感想
持久力レースでは、アスリートがエルゴジェニック効果※としてカフェインを使用し、エネルギーレベルを維持するためにいくつかの異なる戦略を用いるのを目にします。今回の例では、ジェマはスタートの約25分前に少量(約50mg)のカフェインを事前に摂取することを選択しました。これはレース開始から約20分でピークに達し、体内のアドレナリンの増加をサポートします。レース中は、ジェマは推奨摂取量よりやや多めに摂取し、カフェインタブレットを数錠とカフェインジェルを2つ摂取して、コンスタントにレベルを上げ、刺激剤がもたらすメリットを享受することにしました。これは、彼女が十分に認識しているエネルギーレベルに貢献し、カフェインに対する耐性に問題がないことを考慮すると、身体的に厳しいレース中に彼女のパフォーマンスをサポートするのに適した方法でした。
※エルゴジェニック効果とは、サプリメントや特定の食品、マッサージ、メンタルトレーニングなどによって通常時の状態を超えるパフォーマンスを引き出す効果のことです。食品業界においてはそのような効果または効果を持つサプリメントを「エルゴジェニックエイド」とも呼びます。
ジェマの数値達成方法
ジェマがその日に食べたり飲んだりしたもののすべてです…
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レース前(30分以上)
- 普通の水 × 300mL
- お茶 × 1杯
- ライスプディング × 1杯
- ジャム × 大さじ1杯
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レース前(30分未満)
- PH電解質カプセル × 2個
- PF30チュー × 1個
- 普通の水 × 200mL
- カフェインタブレット(カフェイン50mg)× 1錠
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レース中
- PH電解質カプセル × 2個
- PF炭水化物のみのドリンクミックス × 1.5L
- PF30チュー × 2個
- 普通の水 × 3.75L
- エナジージェル(炭水化物29g)× 7個
- カフェイン入りエナジージェル(炭水化物28g、カフェイン89mg)× 2個
- コーラ × 750mL
- カフェインタブレット(カフェイン50mg)× 2錠
選んだ商品
PRECISIONの総合評価
満足度評価:9/10
▼ジェマ
「4時間半以上、しかもその標高でレースをするのは初めてでした。ペース配分とエネルギー補給はうまくいったと思うし、ポジションと順位にも満足しています。OCCを完走したことで、レース前には感じられなかった自信が深まったと思います。当日はすべてが計画通りに進み、多くのことを学び、今後取り組むべき点も見つかりました。私はプロセスに集中するのが好きだし、栄養学は実験を重ね、学ぶことを楽しんできた分野です。2025年が待ち遠しい!」
▼スタッフ
「PRECISION Fuel & Hydration(プレシジョン)アスリートサポートチームのリッキーにとって、OCCの現場でジェマと話をし、レースが彼女にとってどれだけ良いものであったかを聞けたことは素晴らしい経験でした。彼女が今後のレースでさらに素晴らしいパフォーマンスを発揮できるよう、戦略をさらに洗練させていく姿を見るのが楽しみです。汗で失われた水分をより効果的に補給するためにナトリウム摂取量を増やすことは、長く過酷なトレイルレースを通して、彼女のニーズに合った水分補給戦略を確実にするために役立つでしょう。」
完全な統計
全体
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炭水化物量 607g
1時間あたり87g -
総水分量 6,200mL
1時間あたり892mL -
総ナトリウム量 1,450mg
1時間あたり209mg -
234mg
1Lあたりのナトリウム -
カフェイン総量401mg
1kgあたり6.7mg
データの信頼性
精度のレベルとデータの信頼性に基づいて、各ケーススタディを 1 ~ 5 で評価します。
収集されたデータと報告された数値には十分なレベルの正確さがあります。アスリートは、ほとんどの詳細情報(ブランド、フレーバー、数量の妥当な推定値)を含め、食べたり飲んだりしたものを記憶しています。ただし、データ内で行われた推定は、報告されたデータの全体的な信頼度に影響します。
※本記事は英語の記事を翻訳したものです。原文を読む
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